シロアリ

シロアリ
しろあり

シロアリは蟻ではなくゴキブリの仲間

シロアリですが、実はアリとは食性も生態も全く異なり、どちらかというとゴキブリの仲間です。

シロアリといえば、木材を食べて住宅に被害を及ぼす害虫というイメージが強いですが、実際のところ、住宅に被害を及ぼすシロアリは日本に生息している22種類のうちの僅か5種類となります。

大半のシロアリは土壌改良に重要な役割を果たしている益虫です。

家屋に被害を及ぼすシロアリは5種類ですが、主要なのはヤマトシロアリとイエシロアリです。
特にヤマトシロアリが多く、8~9割を占めます。

シロアリが好むのは高温多湿な環境である

・湿気の多い場所
・気温20〜30℃のエリア

高温多湿の日本は、シロアリが暮らすには格好の場所なのです。

よく考えてみれば、ゴキブリを頻繁にみるのが夏ですから、シロアリがゴキブリの仲間だと言うのも納得です。

シロアリが好む条件①:湿気の多い場所
シロアリの中で、日本でいちばん被害をもたらしているヤマトシロアリは、湿気の多い場所に巣を作ります。

ヤマトシロアリは湿った木材や段ボールなどをエサにします。
外壁の小さなひびや隙間から水が中に入り、壁や柱に湿気を含んだ部分を見つけ、そこから侵入して巣にしてしまいます。

しかし、残念ながら湿度が低い環境ならシロアリを完全に排除できるという訳でもありません。

シロアリは木屑や土と自分の排泄物などを練り込み、蟻道という道を作ることができます。
特にイエシロアリは水を運ぶ器官を備えており、蟻道を湿らせることで湿気を確保したまま移動できるのです。

ヤマトシロアリには水を運ぶ器官が備わっておらず、乾燥した環境で巣を作りにくいので、湿気に気をつけるに越したことはありません。

シロアリが好む条件②:気温20〜30℃のエリア
シロアリの多くはそのまま寒い環境で生きていくことができず、温度の高い場所を好みます。

シロアリが十分に活動するには20〜30℃くらいの気温です。
ヤマトシロアリの場合は4〜6℃くらいから活動を始めます。
暖かく保たれている住宅は、シロアリにとっても過ごしやすい環境です。

シロアリ被害の対策方法

一般的なシロアリ被害の対策方法としては、以下の2つがあります。

・家のひび割れや隙間をなくす
・薬剤を撒く

シロアリ被害の対策方法①:家のひび割れや隙間をなくす
シロアリは外壁や基礎の土台部分の小さなひび割れや隙間を見つけて侵入してきます。

家にひび割れができていないか点検も欠かせません。
そもそも隙間のない気密性の高い家を建てることが一番重要かもしれません。

シロアリ被害の対策方法②:薬剤を撒く
薬剤を使ったシロアリ対策は三種類あります。

・地中から侵入してくるシロアリの通り道となる床下の土に薬剤を散布することで侵入を防ぐ土壌処理
・住居の建材に直接薬剤を吹きつけていく木部処理(効果は5年程で切れるため、定期的に処理を行う必要がある)
・昆虫の脱皮を阻害し死に至らせるベイト剤という毒餌を特殊な機材の中に入れ、地中に埋めて設置するベイト工法

ベイト工法は薬剤を散布する必要がないので、臭いがなく、安全な工法です。

シロアリに食われない木材もある

柱などの構造材として使われる緑の柱という木材があります。
緑の柱は、木材に銅化合物と塩化ベンザルコニウムという薬剤を加圧注入しているのです。
加圧注入によって木材の中まで薬剤を浸透させるので、防蟻効果を半永久的に持続させることができます。

薬剤を撒くとなりますと、どうしても定期的な薬剤処理が必要になります。
処理を忘れていつの間にかシロアリに食われているかもと考えると不安にもなります。

緑の柱のいちばんのメリットは、メンテナンスの手間がまったくかからないということです。

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